大使挨拶
今村朗 駐ジョージア日本国特命全権大使
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駐ジョージア日本国大使の今村朗です。2020年12月6日に当地へ着任いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私が前回ジョージアを訪れたのは1999年のことですが、それ以来、美しいコーカサス山脈の麓で独自の文化を育み、文明の十字路に位置するこの魅力的な国を再訪したいと願っていました。今回の再訪で、1991年に独立を果たした若い国であるジョージアの人々が様々な課題を克服しながら、自由で開かれた国造りを進めている様子を目の当たりし、大変心強く思っています。
日本とジョージアは人権、民主主義、法の支配といった基本的な価値観を共有しており、1992年に外交関係を開設して以降、地域情勢に関する意見交換を含む政治対話や国際社会における協力、民間ビジネスの交流、互いに長い歴史と伝統を有する文化の交流など、あらゆる分野で友好関係を発展させてまいりました。
日本政府は、ジョージアの独立以来、ODAを通じてジョージアの国造りや発展を支援してきました。特に東西回廊の要であるジョージアの交通インフラの改善により連結性の強化を図るとともに、技術協力による人材育成、無償資金協力や草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて人々の生活改善に向けた支援をジョージア国内各地で行ってきましたが、これらの事業はジョージアの人々に高く評価されており、今後とも力を入れていきたいと考えています。
また、ジョージアにおける近年のビジネス環境の改善は目覚ましいものがあり、日本企業の関心も高まりつつあります。本年に入り日本企業がジョージアの水力発電所への投資を決定しましたが、2020年10月に菅総理が表明した2050年までの脱炭素社会の実現と軌を一にするものとして歓迎しています。政府としても投資協定や租税協定の締結等を通じて、こうしたビジネスの動きを積極的に後押ししていきたいと考えています。
さらに、日本では、大相撲においてジョージア人力士が活躍しているほか、シュクメルリをはじめとするジョージア料理やユネスコにより無形文化遺産に認定されたワインといったジョージアの食文化も日本人の間で人気が高まっています。ジョージアはとても親日的な国で、日本や日本語、日本文化に関心を持つ人々も増えてきています。「おもてなし」の心を大切にする両国の人々がさらに交流を深めることをお手伝いするとともに、日本の魅力や政策の発信に力を入れていきたいと思います。
近年、ジョージアを訪れる日本人旅行者や長期滞在者も増加しています。日本人の皆様の安全は日本大使館の優先課題の一つであり、新型コロナ・ウイルス感染症が拡大する中で、引き続き、邦人の皆様方への情報提供をはじめとする必要な支援を行ってまいります。また、ジョージアの保健・医療体制の強化に資する資機材の供与を通じて感染拡大の防止に向けて協力をしていく所存です。
2022年に日本とジョージアは外交関係設立30周年を迎えます。この節目の年に向け、私も、日・ジョージア関係のさらなる発展に向けて取り組んでまいります。皆様のご支援、ご協力、ご厚情をよろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、世界的なコロナ禍のため心配な日々が続きますが、皆様におかれてはくれぐれもご自愛ください。
今村大使による新年の御挨拶(2021年1月)